• 集合住宅

アトリエM

クライアントは画家であり、娘と2人暮らししていたが、今回新居を建設するにあたり、数回の打合せを踏まえて、当初の要望であった賃貸アパートと大家の住居としての計画ではなく、賃貸する住民と同居する家として計画した。将来に向けて、建物の維持やメンテナンスのしやすさ、都心部における安全性を考慮し、生活スタイルとして賃貸する住民と交流していけることがその理由である。また、賃貸する住民の数は、ともに暮らしていくなかで2対1で分かれてしまうような3人を避けて、4人として設定した。

クライアント母娘の居住部分の明確化と住民との交流を両立させるようなシステムを検討し、ひとつの建物のなかにライフスタイルの異なる人々が同居する街のような空間を目指した。1階は、個室のほかにLDKと多目的スペースを配置し、住民だけでなく、絵画教室の生徒や住民の友人も招き入れる事ができるようなパブリック性の高いフロアとなっている。2階は住民のための洗面や浴室、読書スペースを設け、1階とは吹抜けでつながりつつも、生活感があったり、落ち着いた時間を持てるようなセミパブリックとしての機能諸室を配置した。2階の北側には母娘のためのダイニングキッチンがあり、そこから階段で上がった3階は1フロアすべてが母娘の居住部分となる。下階から上階へ行くに従い、利用する人が限定されていくような階の構成となっている。

フロアの構成に対応するように、1階の玄関から3階の個室に至るまでの動線は、個室や水回りなどに枝分かれしつつも、主動線は手前と奥が生まれるような構成となり、奥にいくほどプライバシー性が高くなるようになっている。

所在地
東京都板橋区
用途
シェアハウス
構造
木造3F
延床面積
153.46㎡
設計期間
2014.12~2015.9
工事期間
2015.09~2016.05
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