- 住宅
Patch House
鎌倉に建つ、外観は黒い箱の家
大きな吹き抜けを介して、家全体の空気がつながっている住宅。耐力壁を兼ねた間仕切り壁によって、かっちりとした部屋ではなく、居場所のような状態を生み出している。また、空気のつながりを生かして薪ストーブや蓄熱式床暖房で家全体を暖め、快適な空間となるようにしている。
建物の形態、空間の構成、仕上げと構造の一体化、納まりの画一化などへの配慮を行うことでローコストへの対応をしている。
第一回目のプレゼンテーションが終わりました。
今回は2案提案しました。
こちらはA案。
正方形平面の2階建てです。真ん中に大きな吹き抜けのある全体がつながったような空間になっています。
こちらは2案の内もう一つのB案。
長方形平面に大きな片流れ屋根を架けた案です。家型、台形、長方形の3つの断面が特徴です。
住宅内部で見えてくる風景はリブ状の壁とリング状の床それと家具だけです。
余計なものはほとんどない。そんな住宅です。
どの場所からでも大きな吹き抜けを介して、つながっています。
それぞれの個室にははっきりとした仕切りがないので全体が大きな部屋のように感じられます。
そのため、各場所の天井高さは2m〜2m40cmと低めに抑えて居場所ができるようにしています。
実施設計も終了し、工務店への見積図面の作成に入りました。
その前に、1/20模型を作成し、仕上げやディテールの確認をしながら作図を進めています。
外周部をOSBに塗装、リブ壁をOSB素地で考えています。
計4社に相見積を取ることとしました。
超ローコスト住宅なので、どのようにコストダウンを図っているかを1/20の模型と共に説明をしました。
建物の形から、仕上げ、壁の配置などすべてを空間性とローコストを両立するように決めています。
クライアントはローコストであるこの状況も楽しんでくれているようです。ここは後で自分でつくりますとか、塗りますとか。建ったときは最低限のしつらえがあればよいという考え方で進んでいます。
晴天でまるで夏のような気候の中、地鎮祭が執り行われました。
見積も予算内におさまり、これからは週に1回程度、現場監理を行います。
基礎の下には砕石を敷くのですが、その際に地鎮祭で神主さんより頂いた鎮め物を埋めました。場所はちょうど心柱の真下、建物のど真ん中です。
土地の神様を鎮めるために、鎮め物を土地に納めました。
宇都宮はだんだんと寒くなってきているので、厚着をしないと現場がつらそうです。
コンクリートの打設を行いました。
温度補正が必要な時期に入ったため、温度補正を行って施工をしてもらいました。
職人さんも皆さん栃木の人なので、だんだんと栃木弁?が聞き取りやすくなってきました。
家の大黒柱を益子まで確認に行ってきました。
伐採や製材の仕方などを職人さんと話ながら加工場の見学をしてきました。
直径1mはありそうな木などは一本から柱、梁はもちろんのこと、回り縁や天井材などいろいろ材を切り出すとのこと。
ケヤキの大黒柱も無事施工完了し、上棟しました。
7mを超える柱が宙づりで施工される姿は壮観でした。
模型で何度も確認してはいますが、イメージを修正しながら納まりや仕上げの検討をこれからも続けます。
現場では、クライアントにも実物を確認してもらいながら決定をしていきます。
今は、実際の大きさも把握しやすくなったところで外壁色を検討中です。
宇都宮-Uは方形の屋根の5寸勾配としています。
外部からも屋根面が見えて、内部空間も広がりが感じられ、施工でも足場不要になるよう勾配を決めました。
天井面はOSBで仕上げるため、屋根架構は見えなくなってしまいます。架構を見られるのは現場に来た人だけの特権です。
浴室の下地防水が始まりました。
ほんとに下地防水かと思うほど丁寧にキレイに施工してくれています。
FRP防水で仕上げとなるため、職人さんがキレイにしないとみっともないだろ?ということで気を遣ってくれました。丁寧にやるだけではなく、仕上げの場合は樹脂の種類を変えるとのこと。仕上げがとても楽しみになりました。
壁面、天井面のOSBがほぼ張り終わったので、塗装に行きました。
今回は施主塗装です。クライアントと僕、スタッフ橋本で、OSBの上からざっくりと白色塗装をしました。初めての経験でしたが、塗料の濃度やハケの使い方で全く印象が違いました。なかなか思い通りに塗れませんでしたが、クライアントと共に楽しく作業ができました。
内部の足場が解体され内部空間がお目見えしました。
7m以上の吹き抜け空間にケヤキの大黒柱がすっくと立っています。
3月末には引渡予定です。
内部の壁・天井も施工が完了し、大工さんが家具製作に取りかかりました。
大工さんの作業台の脚がとても機能的です。簡単に作れて収納するときはぺったんこになります。
今回、クライアントがDIYでこの脚をつかってベンチ作成予定です。
写真の脚に天板を乗せる程度の簡単なものになる予定です。
外部足場も解体され、外観がお目見えしました。
外壁はガルバリウム鋼板の横平葺きです。継ぎ手なしで葺います。
完了検査も無事終了し、今月中には竣工です。
先日、家具がない状態の撮影をしました。
今回はカメラマンの平林さんに依頼し撮影していただきました。
近日中に公開予定です。