老後を快適に過ごす夫婦の家である。
2人の娘が独立し、使わなくなった2階や、孫が毎日遊びに来ても母のいるキッチンとの距離がある間取りなど、夫婦2人には使いにくい家となっていった。
子供の成長に伴い2階を増築した家は、家族の変化に合わせて再び平屋に建て替えることとなった。本計画では住まい方の変化に合わせてコンパクトなプランを提案し、1200万円という予算の中でいかにストレスなく快適に過ごせるかを目指した。
計画地は寒さも厳しく、冬場は堀コタツの定位置に座り、身の回りのものが手の届く距離にあるという生活をしていた。
体に染みついた堀コタツでの生活スタイルは、高齢になると立ち上がりのことや、キッチンからの視線の関係など不便に感じることもあり、椅子での生活を提案した。基礎を蓄熱した床暖房を採用することで、高気密高断熱の家全体を暖め、堀コタツと変わらない状況をつくっている。また、客間の高さを一段高くして長年使っていた座椅子をそのまま使えるようにしている。内装材やデッキ材、アプローチの飛び石等、建て替え前に使われていた思い出の材料も積極的に取り入れている。
家は家族の成長に伴い変化していくが、長年過ごしてきた昔の家での生活を感じながらも、孫との新しい関わり方が生まれた。コンパクトながらも快適さが得られる家になったと感じている。
雪の影響で基礎工事が1週間延びてしまいましたが、基礎の蓄熱式床暖房工事も終えて、切り妻屋根の骨格が姿をみせてくれました。
1/30模型を使っての素材の打合せも行い、着々と竣工に向けて進んでいきます。
渋川-K_木工事
断熱材で包まれました。
基礎を蓄熱した床暖房を採用していますので、水発泡ウレタンを壁と屋根に吹き付けています。
同時に仕上げの色もサンプルを持ち込んで確認及び検討をしていきます。
軒天、破風板、鼻隠し、天井にそれぞれ木材を使っているので、現場の同じ材料を使って着色しています。
建て替え前の客間の壁で使われていた桧の板を再利用しました。年期があるため、撤去した際の反りや傷みなど状態が厳しかったのですが、大工さんが丁寧に張ってくれました。
緩いスロープのアプローチをコンクリートで作っています。
クライアントが既存の石を事前に配置してくれています。
さらにお隣さんのご協力もあり、境界塀の上から大工さんが互い違いに箒で模様をつけていきます。
ちなみにお隣さんの地面の高さは、こちら側より60センチ(ブロック3段分)髙いです。