西荻窪駅から線路沿いに5分ほど歩いた場所に建つマンションの1室におけるリフォーム。南にバルコニーと開口部を向けた一般的な住戸において、南側の主室だけでなく北側の部屋までの視線の抜けと通風を確保することを考えた。壁は点線の様にゆるく諸室を分節し、床から天井までの引戸やロフト、欄間や地窓を配置しながらそれぞれがつながっている。天井が低く、床上1800mmの低い梁があるような圧迫感のある空間ながらも、水平方向の広がりが感じられる様に計画した。この曖昧な部屋の区切りは、まだ小さい子供が一緒に暮らすクライアントにとって、将来使い方を変えられるような間取りとして機能する様に配慮している。床は柔らかな桐のフローリングを使用し、冬でも裸足でいられるような仕上げとした。