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町屋-I

各階で異なる印象を持つ2階建ての住宅である。

1階に個室、2階に水回りを中心にLDKを配置し、屋上をすり鉢状のルーフバルコニーとしている。

生活における機能が各階で違うことに加えて、平面的、断面的なスケール操作により、空間の広がりや明るさの違いを創り出すことによって各階の印象が異なる。

日常において使用頻度の高い階段と廊下の扱いを重要と考えた。廊下を個室やLDKと同じように扱い、さらに洗面や脱衣といった機能を持たせた。住宅全体に快適な環境を創り出すことで、廊下を通して明るさが行きわたり、各階に関係性がうまれる。

水回りを中心に配置されているLDK+廊下は、リング状に連続した空間となっていて、どこまでも続くような広がりを生み出すと同時に、様々な行為が行われる場所ともなっている。

所在地
東京都荒川区
用途
専用住宅
規模
木造 地上2階+ルーフバルコニー
建築面積
48.20㎡
延床面積
82.67㎡
設計期間
2006.12~2007.12
工事期間
2008.1~2008.8
構造設計
有限会社 吉田一成構造設計室

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町屋-I_実施設計中。

2007/06/04

荒川区町屋に建つ、木造2階+ルーフバルコニーという構成の住宅です。

各階において異なる印象の空間を創り出すことで、限られた面積の中で意識的な「広さ」を獲得したいと考えています。


町屋-I_内部空間。

2007/06/20

住宅の構成は1階に個室、それ以外は2階にあります。
1階は玄関ホールを中心に花びらのように各個室が配置され、2階は水回りコアを中心に、輪のようにリビングダイニングキッチンがあります。

2階はぐるっと一周することができ、2方向からあるところに行くことができるため、面積以上の広がりがあります。
通常廊下は「通路」であり無駄に思われがちですが、この案のポイントは「スペース」になっていることです。


町屋-I_内部空間2。

2007/07/19

角度を変えた写真をもう一枚。
右側が階段室でもあり洗面・脱衣スペースでもある廊下です。
左側がダイニングです。ちらっと見えるテーブルは町屋-Iオリジナルです。



個人的にこの写真はとても気に入っていて、デスクに貼っています。


町屋-I_仕上げスタディ。

2007/07/19

実施設計終了もそろそろですが、現在内部の仕上げを検討しています。
この計画においては、検討に最も時間をかけています。

写真は少し前に検討していた模型です。
色や材質で印象が違うこともわかりますが、床、外側の壁、内側の壁、斜めの天井をどのように切り替えるかということでも、明るさ、広がり、暖かみなどの空間の質が変わってきます。

ギリギリまでねばって、この建築に最も適している仕上げを発見したいと思っています。


町屋-I_設備調査。

2007/07/26

設備調査をしました。
実施設計では具体的に水道、ガスの配管ルートも決定するので、既設の配管がどのようになっているか把握しなければなりません。

写真はロケーター調査といって、ガス会社の方にガス管の位置を探してもらっています。
意外とレーダーでは発見できず、結局は土を掘って探していただきました。


町屋-I_地鎮祭。

2007/12/17

昨日、地鎮祭が執り行われました。
(久々に早起きしました。(笑))

お施主さんおめでとうございます。
夢工房さんこれから宜しくお願いします。

年明け、確認申請の許可がでたら着工です。
早く下りることを願って・・・


町屋-I_地盤改良。

2008/02/21

確認申請は無事許可がおり、1/19から地盤改良を行いました。
柱状改良という方法です。
敷地いっぱいに建物が建つので、改良もその範囲でやっています。


町屋-I_遣り方。

2008/02/21

2/4、遣り方を行いました。
建物の位置を決める重要な作業です。
図面通りの位置になっているかチェックします。

めずらしく雪が降り残っています。


町屋-I_根切り。

2008/02/21

2/8、根切りを行いました。
土を掘る作業です。
同時に埋設する配管も設置しています。


町屋-I_配筋検査。

2008/02/21

2/16、配筋検査を行いました。
基礎を打設する前に、図面通り配筋されているか確認します。
とても綺麗に組まれていました。


町屋-I_上棟。

2008/03/24

今月のはじめに上棟しました。
一日で骨格ができあがることには今回も驚きました。
翌々日に、上棟式が行われ、おいしい手作りのもつ鍋をごちそうになりました。



2階に上がってみると、イメージしていたとおり、とても気持ちの良い空間になると確信を得ました。


町屋-I_建て方検査。

2008/04/04

屋根、壁の合板が貼られて、それぞれの空間の大きさが確認できるようになってきました。
本日は構造設計者とともに金物や合板が指示通り取り付けられているかを、検査してきました。



写真は2Fのダイニング部分です。
壁が無いところは窓になりますが、この空間において圧倒的な存在感があります。
天井の形態と相まって、開放感を生みだしています。
早く窓が取り付けられた状態を見たいものです。


町屋-I_階段室。

2008/04/16

設備配管、床暖房工事を行っています。
サッシの取り付けも始まりました。



1F階段室より見上げた写真です。
個室とパブリックな生活空間が異なる階にあるので、日常において階段を使う頻度は多いです。
この住宅では階段室の天井はトップライトで、上りきろうとするときには正面に窓があり、振り返るとまた上部に窓があります。
光が降りそそぐように上から射し込み、正面と後方もぼんやりと明るい、心地の良い空間になっています。
階段室も住宅を構成する重要な要素として取り扱っています。


町屋-I_鉄骨階段。

2008/05/01

鉄骨階段が設置されました。
工場で溶接して出来上がったものを搬入したので、きれいに仕上がっています。


町屋-I_1/20模型。

2008/05/01

現場は着々と進んでいますが、再度スケールの大きい模型で照明の位置などを検討しています。


町屋-I_屋根防水。

2008/06/06

なかなか天候に恵まれず、屋根防水ができずにいましたが、
この2、3日晴れる日が続くということで工事が行われました。

FRP防水と言って、船やプールにも使用されているくらい防水性能があり軽量なものです。
まだ、下地の段階でしたが一気に屋上の表情が変わりました。
仕上がりが楽しみです。


町屋-I_室内。

2008/06/26

天井・壁の下地が貼られています。
床にある銀色のシートは床暖パネルです。温水が流れるタイプです。
そろそろ家具や建具の製作が始まります。


町屋-I_屋上手摺と・・・。

2009/02/10

引き渡してから半年が経ちました。
7日は屋上に手摺を設置するため、最終的な打ち合わせを現地でしてきました。
すべてを製作するので、この屋根の特徴を活かした手摺になりそうです。



この打ち合わせはすぐに終わったのですが、クライアントのご厚意により急遽、お昼をいただくことになりました。
打ち合わせや残工事の確認では何度かお邪魔はしていますが、仕事を離れて空間を体験するのは初めてです。

そして・・・
(昼から)お酒を飲みながら、仕事やプライベートの近況、今後のことなど話をしました。人生の先輩でもあり、年齢が近く僕にとってはお兄さんやお姉さん的な存在なので、いろいろなことを聞いていただきました。
合間にお子様たちと折り紙をして遊んだりもして、「町屋-I」の日常を体験することもできました。

そうしているうちに夜になり、図々しくも夕飯までごちそうになってしまいました。
パスタや手作りのピザはとても美味しかったです。そしてワインに日本酒にシャンパン、もちろんビールも。(かなり飲みました)
夜は照明によってまた違った雰囲気の空間になり、最高の時間を過ごさせていただきました。

「いつでも来てください」とありがたいお言葉をいただき、引き渡してもこのような関係でいられることは幸せだなと感じました。ありがとうございました。


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