- 歯科医院
- 医療・福祉施設
- リフォーム・インテリア
あきら歯科医院
奥行きのある待合を持つ歯科医院
車での移動が当たり前のこの地域では、通常は手前に駐車場、奥に建物という配置が多く見られるが、大通りから見えやすいように大通りに寄せた建物配置とし、奥に駐車場を設けた。建物全ての面がよく見える配置となるので、1.5mの庇兼看板の役割を果たす浮いた外壁を四周にまわし、どこからでも正面に見えるような外観とした。
クライアントからは、リゾート調の落ち着いた内装にする事で緊張感を和らげ、立ち寄りやすい歯科医院を目指したいとの要望があった。また、診療所は待合から診察室、カウンセリング室など、プライバシー性の高い室が集まってできている。これらのことを考慮して、2.5mグリッドの架構をベースとした木造の現しの内装とした。
内部の動線はスタッフと患者のエリアを明快に分離し、回遊性を持たせることで効率的な動線計画とした。また、内装には木質吸音パネルや有孔ベニヤ合板を活用して音環境を整えることで、診療時の会話や治療音を解消し空間に広がりが生まれるように計画した。
2階の水平連続窓を設けることで、内部からは視線が外に伸びる開放感を生み出し、内部の間接照明が夕方から夜間にかけてぼんやりと行灯のように周囲を照らし出している。オープンから1年が経過したが、移転前の3倍以上が新患として来院されているとのことで、嬉しい限りである。
無事内覧会も終え、竣工しました!工務店の皆様、ありがとうございました。
2階の様子です。構造現しの内装で、屋根裏の屋根裏のような2階になっています。
内部の木部が塗装されています。いよいよ内部空間の最終形が見えてきました。天井は2700mm、垂れ壁下は2100mmで緩やかに覆われた待合いです。
天井は音環境を改善するため有孔ボードの仕上げです。塗装のサンプルを作成してもらい、他の部分と合わせて色味を検討しています。悩ましいですが楽しい作業です。
サッシも取り付けられ、先行配線がおわったので断熱材が吹き付けられました。気密性を保つ事が出来るのが、吹付け断熱材の利点です。
無事、上棟式が執り行われました。炎天下のなか、大工の皆さんありがとうございました。立っているのは屋根合板の上で、方形屋根の束にお飾りを取付けました。
配筋の検査を行いました。配筋の径やピッチ、かぶり厚さなどのほか、先行配管やスリーブの位置などをチェックする大事な作業です。
天候にも恵まれ、無事地鎮祭が執り行われました。工務店の皆様、よろしくお願いいたします。
待合いスペースのイメージ図です。長スパンやキャンチレバーを受ける梁から構成される格子状の垂れ壁が内部のアクセントになっています。
この地域に住む人は車で移動することが多いため、車からの視点や外観のスケール感を考えつつ、
木造の架構を生かした内部計画を検討しています。