2021.9.30
  • コラム

補強コンクリートブロック塀のチェックリスト

まちの至る所で目にする補強コンクリートブロック塀。

我が家の塀がそうだよ」という方もいらっしゃると思いますが、

定期的に点検なさっていますか?

 

地震などの際に壊れると、人命に関わる壊れ方をしたり

避難の妨げになったりする恐れがあります。

実際に、平成30年 大阪北部地震の際に、

耐震性に問題のあるブロック塀が倒壊し、2名が死亡しました。

ブロック塀も、建物と同じくきちんと診断することが大切です。

 

 

 

まずは、ブロック塀のあれこれを確認しましょう。

下記6項目は、普遍的な部分ですので一度チェックにクリアすれば安心です。

◻︎コンクリートの基礎部分はあるか

◻︎塀に鉄筋が入っているか

◻︎塀の高さは、地盤から2.2m以下か

◻︎塀の高さが1.2m以上の場合、塀の長さ3.4m以下ごとに控え壁が設けてあるか

◻︎塀の高さが1.2m以上の場合、基礎の値入れは30cm以上あるか

◻︎塀の厚さは、10cm以上あるか。(塀の高さが2.0〜2.2mの場合は、15cm以上必要)

 

いろいろと数字が出てきてややこしかったですかね?

国土交通省のHP上に「ブロック塀等の点検のチェックポイントという図解があります。

ぜひこちらも併せてご覧ください。

 

次にこちらは、日を決めてでも ちょこちょこ確認しておきたい項目。

1項目ですが、塀の隅から隅まで注視しましょうね。

◻︎傾き・ひび割れなどの欠損はないか

 

 

 

自分でのチェックが難しい・チェック項目に

1つでも該当しない部分があったら、専門家へ相談しましょう。

ブロック塀の改善に補助金を出しているところもあります。

 

 

 

前述したように、人命に関わる壊れ方をしたり避難の妨げになったりした場合、

所有者がその責任を問われる可能性があります。

回避する意味でも、基準に適合したブロック塀であることや、日々の点検は欠かせませんね。

改善工事を終えるまでの間は、

張り紙などをして通行人に注意喚起を促すとより親切かと思われます。

 

文:吹井美奈子

 

2021.9.15
  • コラム

自然石 約6000トン1500個に囲まれた建築

令和3年1月に開館した、茨城県筑西市 ザ・ヒロサワ・シティ内にある

廣澤美術館へ行ってきました。

廣澤美術館は、新国立競技場と同じく隈研吾氏の設計によるものです。

 

建物を囲む広い庭は、3つのゾーンに分かれており、総称「つくは野の庭」。

命名者は、元号 令和の考案者といわれている中西進氏。

日本庭園は、作庭家の斉藤忠一氏。

他2つの庭園は、ランドスケープアーキテクトの宮城俊作氏による作品です。

 

(門扉をくぐってから建物まで少し歩きますが、ここでは庭園も鑑賞対象物。

まずは建物までいき、鑑賞のためのチケットを購入しましょう。

美術館の入館券で、庭園も観られるという意味では、とてもお得です!笑)

 

 

 

鉄筋コンクリート造の床面積498平方メートルの平屋美術館。

全国から集めた自然石 約6000トン1500個に囲まれた建築」ということで

見に行ってきましたが、確かにその通り。

身長162cmの私では、「屋根が見えるから建物がそこにあることを認知できる」というくらいに

外観の隠れているシーンが多々ありました。

 

 

 

平面図を見ると三角形をしている建物なのですが、

その三面の外壁をどれもしっかり見ることができない不思議。

まさに巨石に隠れる建築

庭園には水場もあり、そこはかろうじて?大きな石が置かれていないので、

建物の写真を撮りやすかったです。

 

 

 

フランク・ロイド・ライトは「自然と建築の融合」を提唱しましたが、

今回お邪魔した廣澤美術館を有する広沢グループは

「自然・健康・文化」をテーマに、ザ・ヒロサワ・シティを作ったそう。

ライトの傑作の一つ、タリアセン・ウェストに近しいものを感じるような気も。

うーん、あれこれ思考を巡らすのはおもしろいですね。

 

 

 

今回の見学は、(もちろんできうる感染対策は行った状態で)

緊急事態宣言の合間をみて伺いました。

伺ったタイミングでは、他の入館者はおらず我が家のみの貸切状態。これはラッキー!

広々とした庭園でお散歩もでき、気持ちの良い時間を過ごすことができました。

 

コロナ禍になってから、あちこち自由に建築見学しにくい世の中ですね。

一刻も早く、この状況が終わりますように…。

 

文:吹井美奈子

 

 

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