普段、何気なく利用しているエレベーターですが、
みなさんは閉じ込められてしまった経験はありませんか?
令和3年10月に起きた千葉県北西部を震源としたマグニチュード5.9の地震では、
首都圏を中心に75,000基のエレベーターが緊急停止し使用不可の時間がありました。
高層な建物が増えれば増えるだけ、エレベーターの使用率は高まり、
閉じ込めのリスクも上がるということ……。
首都直下型地震が起きたら、どうなってしまうのでしょう。
閉じ込められたら何をする?
エレベーター内で地震が発生したら、まずは全ての階のボタンを押しましょう。
どこの階であれ、まずは密室空間からの脱出が大切。
現在全国の約7割のエレベーターには「地震時管制運転装置」というものが備わっており、
地震の揺れを感知すると自動的に
最寄り階で停止・ドアが開くようになっているそうです。少し安心ですね。
落下にはどう備える?
我々が乗り込んでいるゴンドラ部分は、何本ものワイヤーで吊られており、
簡単に落下するようなものではありません。
定員重量の10倍を支えられる設計が義務付けられているので、
映画でたまに観るエレベーターが落下するシーンを実際に体験することは、まず無いでしょう。
万一そんなシーンが現実に起きた場合には、
床に腹這いになり少しでも落下の衝撃負荷を分散することが唯一できる対抗策かも。
揺れが起きたらホールを活用
地震発生後、エレベーターが動いていたとしても、いつまた止まるか分かりません。
すぐにまた揺れがくるかもしれません。エレベーターは使用せずに避難しましょうね。
ちなみに、エレベーターホールは比較的荷物が少ない場所ですので、
スーパー等のお店で地震に遭遇した場合には、身を屈めるのに最適な場所です。
柱のそばに移動してじっとしていましょう、
急いで出口へ向かうのではなく店員の指示に従うのも大切です。
しっかりと心構えを
多くのエレベーターが停止すると、どうしても順番にしか救助の手はまわらなくなります。
閉じ込められてしまうと、外も見えず不安ですよね……。
最近は、非常時に使えるライトや簡易トイレを備えているエレベーターもあります。
が、今一度 エレベーターに乗る前に「これから密室空間へ行くんだ」という気持ちをもって、
携帯電話を持参したりトイレへ行っておいたり、万一の準備を心掛けることをオススメします。
文:吹井美奈子