建築の仕事をしていると、ときどきおもしろい土地と出会います。 皆さんもご存知のところだと、 住宅街によくある旗竿地と呼ばれる、出入口となる道路幅が狭く、 その奥に住宅を建てる敷地があるものや、 3方向を道路に囲まれて三角形の敷地をしているものなどが挙げられます。 東京都内には、狭小地や変形地と呼ばれる土地もたくさん。 今回出会った土地は、画像のオレンジ線で囲われた部分。 この土地、画像内の誰の土地でもないのです! 画像からずーっと左へ行ったところに畑があるのですが、 この土地はその畑の方が所有者。 さて、どうしてこんな変なことが起きたのか? それは昔の土地管理方法が関係しています。 PCなんてものがない時代にも、もちろん土地管理はありました。 (歴史ものの番組内でも、 「褒美としてここの領地を与えよう」なんてことたまにありますよね) “この土地は〇〇さんのもので、範囲はここからここまで”と きちんと管理はされていたのですが、なんせ手仕事。 PCが普及して、手仕事で管理されていたものを正確に直してみると なんだか余分な場所・よくわからない土地がでてきてしまったのです。 周辺の方にお話を伺ってみると、(オレンジ地の)所有者さんは この細長い土地を売るつもりはないけれど、 雑草を抜くことを条件に近隣の方に土地を貸し出しているそう。 うまく区画整備されているに越したことはありませんが、 昔の名残を感じられたり、新しい交流を生んだりしているところに この細長い土地の魅力を感じるできごとでした。 文:吹井美奈子
2019年の10月に、日本の消費税は10%にアップする予定です。 3%から始まった消費税も、ついに2桁の時代へ...。 5%から8%へ変わった時もそうでしたが、 請負契約と引き渡し時期によって税率が変わります。 小さな買い物でしたら、「あぁ、そうか。税率が変わったからな。」と 今までよりちょこっと多くの小銭を支払うだけで済みますが、 建築という大きな買い物にとっては3%は大きな差額を生みます。 言ってしまえば、消費税が上がる前の今が建て時です。 請負契約を結ぶまでにやることは盛りだくさん。 “設計を依頼すること”なんて、人生でそう何度もあることではありません。 「増税までに時間がないから、急いで決めたら失敗した」 なんてことにならないよう、後悔のないように、早めに動き始めることをおすすめします。 文:吹井美奈子